車で東京〜長野間を移動する際

とうぜん窓を開ける
すると

「あっ! 外が見えるよ外だよ!!」
座席に置いたキャリーケースの中で
シロがたちまちいろめきたつ
それでも最初のうちは

「ふーん、景色が横に動いてくよ。ヘンな窓〜」
中敷きの新聞にあごを載せ
おとなしく景色をながめていてくれるのだが
なにしろ都会は
食べ物屋さんが多い
場所によっては
十五分に一度ぐらいいい匂いがただよってきたりする
中華料理の匂い
配達中のピザの匂い
シーフードパスタの匂い
パン屋さんの匂い
たきたてご飯の匂い
etc.etc……
ああもうおなかがすくったら……!

「あのー、さっきからなんか食べ物の匂いがするんですけど?」
シロも匂いのするたびにうっとり
鼻をひくひくさせたあげく
ついにはしびれを切らし

「もっと近くで見たいっ! 出して!」
最初はひかえめに、しかし断固ぐぐっと
入り口にツメを立てつつ飼い主を見つめてくる
窓の向こうは台所だと思いこんだかのよーな気迫である
しかし効果なしとみると続いて

「出さないとイタズラするぞ〜っ!」
前足を出して人の手をつつき
バッグのストラップをひっぱり
シートに敷いた新聞紙をむしったり、ちぎったり
シートそのものにツメを立ててみせたり
かごの中でばりんばりんと音も高らかに
示威行動っぽいツメとぎをしたり
あげく
あんまり意味はないが
中敷きの新聞の下をくぐって
でんぐり返しを敢行したりする
とはいえ
飼い主の聞いたところでは
どーぶつにとって
キャリーケースは唯一のシートベルト代わり
かわいそうだけど、出してはやれません
んで
「ハイハイ」
と額をなでたり、鼻をつついたりして
なだめる
とゆーか
ごまかす
すると少し落ちつくのだがそのあとまた

「えーん、だっていい匂いかするんだもん〜」
こんな顔して鼻をぴすぴす鳴らしてるのを見ると
なんかとっても哀れをもよおしてしまいます
猫が椅子にすわって外をながめられるよーな
便利で安全な猫用シートベルトがあればいいのにねぇ
(ありそーにないけど)(^^;



























































































